2012年10月8日月曜日

東京駅

東京駅を正面から。左右のドームはGRの28mmでは切れてしまった。

はとバスもたくさん通る

とにかく人が多い東京駅
東京駅が完成当時の姿に復元されたというので見に行って来ました。復元される前も重厚な駅でしたが、復元後はすごいの一言。残念なのはガードレールの多さ。駅周辺の美観整備はこれからなんでしょうか?

戦後の世代にとって見慣れた東京駅が実は空襲で3階部分が焼けてしまい、2階建ての駅舎として仮復旧された姿だったなんて最近まで知りませんでした。約60年も仮の姿だったとは。。

しかし当時の姿に戻すのは巨額の費用がかかったに違いなく、バブルの頃ならいざしらず、なぜ今頃復元なのか・・・。調べてみたら空中権の売買ということと関係が有ることがわかりました。

東京駅周辺は最近になって丸ビル、新丸ビル、JPビルといった高層ビルが建設されてます。私の記憶では皇居周辺に高層ビルを建てるのは様々な理由でNGだったはずですが、どうもこれらのビルは特例によって東京駅の未使用容積率を購入して高層ビルを建てる権利を得ているそうなんです。

つまり、本来の東京駅の敷地があれば3階建ての駅舎を容積率の高い高層ビルに建て替えることが可能ですが、東京駅は日本を代表する建造物でそう簡単に壊せません。かといって歴史的建造物の保存を優先すると土地を最大限に活用できません。そこで考えられたのが使わない容積(空中の部分)の権利を他の敷地に売却することが出来る仕組みです。

これにより東京駅の空中権が売買され、購入者は東京駅周辺に基準以上の高さのビルを建設出来るようになり、販売側は多額の売却益を得られます。

東京駅の空中権を売却したお金が東京駅復元の背景にあったようです。歴史的建造物は経済性の犠牲になりがちですが、この制度があれば一等地にある歴史的建築物を残す事が可能です。なかなかいい制度だと思いました。